2026.07.30
INSIGHTS — 外観検査

ラインスキャンカメラとは?原理やエリアカメラとの違いなどを解説

公開日
2026年7月30日
カテゴリ
外観検査
ラインスキャンカメラを使った製造ラインの外観検査

製造現場の外観検査では、対象物を高速かつ正確に撮影する技術が求められます。そこで活用されているのが、対象物を線状に撮影し、画像を連続してつなぎ合わせる「ラインスキャンカメラ」です。

今回は、ラインスキャンカメラの原理や特徴、エリアスキャンカメラとの違い、活用例などを紹介します。関連製品も紹介しますので、ご興味がございましたらぜひご覧ください。

ラインスキャンカメラとは?

被写体を1ラインずつ連続的に撮影し、複数のラインを組み合わせて1枚の画像を構築するタイプの産業用カメラのことです。生産ラインを流れる製品の外観検査や、印刷物・フィルム・鋼板などの連続材料の検査、書類のスキャニングなど、対象物が移動している状況で高精度な画像を取得したい場面で活用されています。

一般的な写真撮影用のカメラや、後述するエリアスキャンカメラが「面」で一気に画像を捉えるのに対し、ラインスキャンカメラは「線」を積み重ねて画像を作り上げるという独特の仕組みになります。高解像度・高速処理に優れており、細かな傷や汚れ、印刷ムラといった微細な欠陥まで正確に検出できる点が大きな特徴です。

原理・仕組み

ラインスキャンカメラは、センサーがライン状(1次元)に配置されている点が最大の特徴です。その1ライン分のセンサーが、被写体または撮影機器の移動に合わせて連続的に画像を取得していきます。撮影された各ラインのデータをつなぎ合わせることで、最終的に2次元の画像として出力される仕組みです。

たとえば、ベルトコンベアの上を流れる製品を撮影する場合、コンベアの移動速度に同期させながら1ラインずつ画像を取得することで、連続的にひとつの長い画像を生成することができます。搬送速度に合わせて撮影スピードを調整することで、ブレのない鮮明な画像データを取得できる点が、生産ラインでの検査に適しています。

センサーが1ラインに集積されていることから、1ラインあたりの解像度を高く設計できる点も魅力です。数千〜数万ピクセルの解像度のラインスキャンカメラも存在し、微細な欠陥や細かな模様まで捉えることが可能です。また、搬送方向にライン画像を連続して取得できるため、フィルムや鋼板などの長尺物でも、長さに制限されにくい連続画像を生成できます。

エリアスキャンカメラとの違い

エリアスキャンカメラとは、センサーが縦横に格子状(2次元)に配置されており、シャッターを切るたびに一度で「面」の画像を取得できるタイプのカメラのことです。デジタルカメラやスマートフォンのカメラと同じ原理で、静止した被写体をそのまま撮影する用途に適しています。

ラインスキャンカメラとの主な違いは、画像の取得方法にあります。エリアスキャンカメラは面全体を一度で撮影するため、被写体が静止していれば手軽に画像を取得できますが、被写体が高速で動いている場合には、被写体ブレが生じたり、解像度が不足したりする場合があります。

また、解像度の面でも違いがあります。エリアスキャンカメラは視野の広さと解像度がトレードオフになりやすいのに対し、ラインスキャンカメラは1ラインの解像度を高く設定できるため、大きな被写体を高精度に撮影したい場合に有利です。ただし、静止した被写体を単発で撮影する用途にはエリアスキャンカメラのほうが適しており、それぞれの特性を理解したうえで使い分けることが重要です。

ラインスキャンカメラの活用例

ラインスキャンカメラの活用例
FIG.01 — Line scan camera applications

ラインスキャンカメラは、その高い解像度と処理速度を活かして、さまざまな現場で活用されています。

ここでは、代表的な活用例を紹介します。

製造ラインの外観検査

食品や飲料、電子部品、金属部品など幅広い業種の生産ラインで、製品の外観検査に活用されています。取得した画像を画像処理装置や検査ソフトウェアで解析することで、傷や汚れ、印刷ミスなどの欠陥を検出できます。

印刷物・フィルムの検査

新聞や雑誌、パッケージなどの印刷物の検査にもラインスキャンカメラは欠かせない存在です。ロール状のフィルムや紙が連続して搬送される工程で、印刷のかすれや色ムラ、位置ズレといった不良を高速で検出することが可能で、長尺の素材を切れ目なく撮影できる点が印刷業界のニーズと合致しています。

鋼板・金属材料の検査

製鉄所や金属加工工場では、幅の広い鋼板や金属シートの表面検査にラインスキャンカメラが用いられています。高速で移動する幅広の素材でも、高解像度で全面をスキャンできるため、表面の傷や凹凸、汚れといった不良を漏れなく確認することが可能です。

【外観検査装置】おすすめ製品を紹介

Mujiken Express 表面検査装置
FIG.02 — Mujiken Express

ラインスキャンカメラを活用した外観検査装置をお探しの方におすすめしたいのが、当社が提供している「Mujiken Express」です。

Mujiken Expressは、フィルムや紙、金属箔などのシート状基材の表面検査に対応した高性能モデルです。高速ラインにも対応可能で、GPUを搭載することにより多彩かつ高速な画像処理を実現しています。従来機種と比較して約2倍の処理速度を誇るため、生産スピードの速い現場でも安定した検査が可能です。

CoaXPressカメラの採用と自社開発ボードによる高精度検査により、微細な欠陥も見逃さない優れた検出能力を備えています。

また、ワイドモニタ対応や画面レイアウトの自由編集機能も備えており、検査状況を視覚的に把握しやすい設計となっている点も特徴です。用途や設置環境に応じたカスタマイズにも対応しているため、高度な検査ニーズの現場にも適した製品となります。

Mujiken Expressの詳細はこちら

ラインスキャンカメラについて

今回は、ラインスキャンカメラの原理や仕組み、エリアスキャンカメラとの違い、主な活用例などを紹介しました。ラインスキャンカメラは、高解像度・高速処理を活かして、製造ラインの外観検査や印刷物・金属材料の検査など、幅広い現場で活用されています。

用途や被写体の特性に合わせて適切に選定することで、検査精度と生産性の向上につなげることができます。高精度な外観検査装置の導入をご検討中の場合には、ぜひお気軽にお問い合わせください。