2026.07.30
INSIGHTS — 画像処理

画像処理における照明の重要性や選定時のポイント・注意点などを解説

公開日
2026年7月30日
カテゴリ
画像処理
画像処理に使用する照明装置

画像処理の精度を高めるためには、カメラやソフトウェアの性能だけでなく、対象物を適切に照らす照明の選定も重要です。照明の種類や当て方が適切でないと、傷や汚れ、凹凸などを十分に捉えられず、検査精度が低下する可能性があります。

今回は、画像処理における照明の重要性や種類、選定時のポイント・注意点などを解説します。

画像処理における照明の重要性

画像処理で使用する画像は、対象物に照明を当て、その反射光や透過光をカメラのセンサーで捉えることによって生成されます。つまり、どのような光をどのような角度から当てるかによって、取得できる画像の見え方は大きく変わるのです。

たとえば、金属部品の表面にあるわずかな傷を検出したい場合、照明の当て方が適切でなければ、その傷が画像上で目立たず、検査そのものが成立しなくなる可能性があります。一方、光の角度や色を最適化することで、肉眼では見えにくい微細な欠陥も画像に浮かび上がらせることが可能です。

照明が不適切だと、影が生じたり、明るさにムラが出たりして、画像処理アルゴリズムが正確に判定できなくなるおそれがあります。

照明選定時のポイント・注意点

照明選定時のポイント・注意点
FIG.01 — Lighting selection checkpoints

ここでは、照明選定時のポイントを「形状」「照射方法」「色」に分けて解説します。

形状

照明の「形状」は、対象物への光の当たり方に大きく影響します。リング型・バー型・ドーム型・同軸落射型といった形状は、それぞれ得意とする照射パターンが異なり、対象物との相性によって適した選択肢が変わります。

対象物のサイズや検査エリアの広さも重要な判断材料です。小さな部品を検査するには小型のリング照明が扱いやすく、大きな対象物を広く照らすにはバー照明を組み合わせて使うことが多くなります。

また、光沢のある対象物に対しては、反射を抑えられるドーム照明が有効ですし、細かな凹凸を検出したい場合は、角度をつけやすいバー照明が適しています。用途や検査対象の特性に合わせて、最適な形状の照明を選定することが、安定した画像処理の実現につながります。

【形状別の特徴】

■リング照明

カメラのレンズを取り囲むリング状の照明で、対象物に対して均一に光を当てることができるタイプです。全体を明るく照らすため汎用性が高く、外観検査や部品の識別などで広い用途で活用されています。

■バー照明

細長い形状をしたタイプの照明で、対象物の上方や斜め方向、横方向など、検査目的に応じて設置角度を調整できます。角度を調整することで、傷や凹凸などの立体的な特徴を際立たせやすい点が特徴で、金属部品の表面検査などによく用いられます。

■ドーム照明

半球状のドームの内側で光を拡散させ、対象物に均一な間接光を当てるタイプの照明です。光沢のある製品や凹凸のある対象物であっても、影や反射を抑えて安定した画像を取得できるため、パッケージの印字検査や光沢面の外観検査に適しています。

■同軸落射照明

カメラの光軸と同一方向から光を照射するタイプの照明です。ハーフミラーを利用して光を落射させる仕組みで、鏡面や光沢面の対象物を均一に照らすのに適しています。金属表面の傷や刻印文字の読み取りなどに活用されます。

照射方法

光をどの角度から当てるかという「照射方法」も重要な要素のひとつです。照射角度が変わるだけで画像の見え方は大きく変化し、検出したい特徴が際立ったり、逆に見えにくくなったりします。

拡散板やドームなどを用いて柔らかな光を当てる「拡散照明」は、局所的な反射や明るさのムラを抑え、対象物の色や印字を安定して撮影したい場合に適しています。斜め方向から光を当てる「低角度照明」は、対象物の凹凸や傷を強調して映し出せるため、金属表面の傷検査に向いています。

また、背後から光を当てる「透過照明」は、対象物の輪郭を鮮明に浮かび上がらせるため、寸法測定や形状検査で活用されます。検査目的に応じて、最適な照射方法を選ぶことが大切です。

照明の「色」も、画像処理の精度を左右する重要な要素です。使用する光の波長によって、対象物の見え方は大きく変化するため、検査したい特徴や対象物の色に応じて適切に選定する必要があります。

たとえば、モノクロカメラを使用する場合、赤い対象物に赤色光を当てると、その部分が明るく写る傾向があります。一方、対象物と補色関係にある光を当てると対象部分が暗く写り、背景や欠陥とのコントラストを高められる場合があります。

白色光は幅広い対象物に対応できる汎用性がありますが、特定の色を強調したい場合や、特定の欠陥を検出したい場合には、単色LEDや紫外線・赤外線といった特殊光を用いることで、より高精度な検査が可能になります。

画像処理の照明選定でお悩みなら

照明選定のサンプルテスト
FIG.02 — Sample test for lighting optimization

画像処理の照明選定でお悩みの場合には、ぜひ当社にご相談ください。お預かりしたサンプルをクリーンルーム内でテストし、お客様が求める欠点を的確に検出する最適な光学系をご提案いたします。

ステージでの光学系調査

カットサンプルをステージにセットし、さまざまな照明やカメラの組み合わせを試すことで、欠点検出に最も効果的な光学条件を精密に調査します。多様なパターンを検証することで、対象物に最適な条件を的確に見極めることが可能です。

抄替機での実環境テスト

実際の生産ラインに近い環境を再現できる抄替機を使用し、ロール状のサンプルで連続的な検査テストを行います。それにより、実践的なデータを取得することが可能です。対応幅は300〜550mm、ロール元反外径φ300mm以下、芯管径3インチ、最大速度100m/min、対応重量90kg以下となっており、さまざまな生産ラインに近い条件でのテストが可能です。

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当社では、欠点を検出するだけでなく、その種類(汚れ・キズ・異物など)を自動で分類することも可能です。独自の特殊光学系と画像処理技術により、3種類以上の高精度な種別分けにも対応しております。

お客様の製品と課題に最適な検査ソリューションをご提案いたしますので、まずはお気軽にサンプルテストをお試しください。

画像処理において照明は重要

今回は、画像処理における照明の重要性や主な種類、選定時のポイント・注意点などを紹介しました。画像処理の精度は、カメラやレンズだけでなく、照明の選び方によって大きく左右されます。

対象物や検査目的に合わせた照明を選定することで、より高精度で安定した検査を実現することができます。外観検査装置や照明の選定でお悩みの場合には、ぜひお気軽にご相談ください。